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放射能汚染について

知人から下記の絵本を紹介してもらって
私はとても救われました。
す~ごく省略しますが、良かったら読んでみてください。

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「アレクセイと泉のはなし」
写真と文 本橋成一
アリス館発行

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ぼくの名まえはアレクセイ。
ベラルーシという国の、ちいさな村に住んでいる。

もうずいぶんむかし、1986年4月26日のこと。
ぼくたちが畑にジャガイモを植えて家に帰ったとき、何かがはじまった。
何が起こったか、ぼくたちにはわからなかった。

その日、チェルノブイリの原子力発電所が、爆発事故を起こしたのだ。
ぼくの村は見えない放射能で汚され、もうここに住んではいけない、と言われた。

たくさんのひとが村を離れた。
でも、55人の年寄りとぼくは村に残った。

ぼくの家にも、たくさんのいのちたちがいる。

ウマ、ウシ、ブタ、ガチョウ、ニワトリ。
家に住みついているネズミや鳥たち、そして畑のミミズやちいさな虫たちまで、かぞえきれないいのちといっしょに暮らしているんだ。

役人がきて、村は危険だから早く引っ越しなさい、とすすめたとき、母さんは言った。

「この動物たちは、木や草はどうするんだい。いっしょに連れていってもいいのかい?」

冬の日、ウマのルイシックにソリをつけ、森へたき木を取りに出かける。

「おーい白樺、きょうは凍てつくね」
「やあ太陽、きみは温かくていいなあ」
ぼくは、何にでも話しかける。
みんな生きているものどうしだから、言葉はちゃんと伝わっている。

この村では、はたらくことが生きること。
種をまくやさしい手、土を掘る強い腕、ジャガイモを持ち上げるたくましい肩。

ぼくたちはからだぜんぶを使って、たくさんのいのちを育てる。

夏に穫れた麦はパンになり、こぼれたぶんはニワトリや小鳥たち、ネズミたちのえさになる。
ニワトリのタマゴと肉は、人間の食糧になる。
ガチョウも秋までにしっかり大きくして、ぼくたちがいただく。

こうしていのちは、つぎつぎにつながっていく。

ひとつのいのちは、すべてのいのちにつながっていく。

この村には、いのちが育つのに必要なものは、なんでもそろっている。
ただひとつ要らないものは、人間が作った放射能だけ。

村の人たちは、まだまだ元気。
けれども何十年か過ぎたあと、ここに住んでいるのは、ぼくだけになっているかもしれない。

泉は、春も、夏も、秋も、冬も、朝も、昼も、夜も、湧きつづけている。

何十億年もつながっている、いのちのくりかえしを、泉は、ずっと守りつづけている。

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我が家は先祖代々、広島に暮らしています。
HIROSHIMAは、原子爆弾が落とされた場所です。
そこで暮らすことを選んだ(選ばざるを得なかった)人たちも大勢います。
でも、半世紀以上経ったHIROSHIMAは平和や愛に満ちている場所になりました。

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